盆栽町

久しぶりに2人の休みが重なったので行ってきた。まずは大宮公園駅の駅員さんに「盆栽村の地図ください」というところからスタート。けげんな顔で荒いモノクロのイラストマップをくれる。この先は長い。たたむ。

事のはじめは、1月に見たNHK趣味悠々の盆栽番組(盆栽家の山田香織が講師。私とはまちゃんの間では盆ドルと呼ぶ)。実は私も小学生の頃盆栽が好きで、いきなり種から山もみじを育てようとしたものの芽が出ずそのまま挫折…という過去を告白したら、香川には盆栽の町があるという情報をくれた。それを調べるうちに埼玉の盆栽町を発見。という流れ。
盆栽町は関東大震災で被災した盆栽家たちが、これを機に集まって盆栽の町つくろうや!となって、大宮で始めたのがきっかけやそう。町を盆栽カスタマイズにするための条例がいくつか。これらの条件を満たさないと、この町に移住ができなかったそうな。

  • 盆栽を10鉢以上持つこと
  • 2階の建物はだめ
  • 垣根は生け垣ね
  • 門戸は解放よ



今はもうそんなことはないけど、そのなごりのおかげで独特の町並みに。また当時としては珍しいめちゃくちゃ広い道幅設計。いつか車社会になった時でも盆栽が見やすい町であるようにと先を見据えた区画整理をしたらしい。さすが盆栽を育てる人は先の見通しが遥か先。 ※はまちゃんがここを歩くことをデジャブしたらしい。



一番行きたかった九霞園。この園にまつわるいい話。戦時中、憲兵からイモ畑にしろと毎日責められていたけれど、たまたまやってきた陸軍のえらいさん(寺内さん)が盆栽園を見て「無用の用があってもいいじゃない」と言ってくれ盆栽の町を存続できたらしい。その盆栽園が九霞園。でも今日は閉まっていた。写真は垣根から見たところ。



清香園。盆ドルの園。さすがエンターテイメント性がすごく高い。盆栽の配置といい、フロー作りといい、一番見やすく見せ方をよく知っている感じがした。ここで売っていた盆栽用の種の中に山もみじが。小学生の頃に買ったものと全く同じパッケージ!種の出所は香川。



蔓青園。唯一、園内の写真撮影がOKな園。樹齢2000年の盆栽があったりする(今、西暦2000年代なんですが!)すごく広くて最近改築したもよう。外国の人むけに、撮影ポイントを示すであろう英語の張り紙なんかがあるけど、本当に通じるのかあやしい英語やった。私たちが入った時は、小さいおばあさんが外国の人をつたなく一生懸命案内してあげていた。


  
お昼ごはんで休憩した盆栽四季の家。出かける10分前にあわてて作ったおにぎり持参。具は、梅と白ごま、おかかとそばあられ。それとおやつ。休憩室の机には、意見帳みたいなのがあって、なにげに読んだらそこには人生の縮図。妻のガンが発覚して看病のため大宮に行く途中に寄った人、57歳で再就職を探している途中の人、47年目の結婚記念日の人、初めてのお見合いの途中の人、失恋日記を書いてその1ヶ月後にまたその続きを書いている人、真夏にお父さんに連れられうんざりしていたけど休憩所でジュースを買ってもらいうれしいという気持ちをノートいっぱいのフリーザの似顔絵で表現してる9歳子供などなど。とりあえず私たちも記してきました。でも今日は寒すぎ。ここでのお昼は早すぎた。完全に冷えきって、帰りに駅前の喫茶に立ち寄ることを決意。 ※盆栽町に着いて真っ先にした事は、貼るカイロを背中に(私はくつの中カイロまで)という若さへのあきらめ100%の始まりだったにもかかわらず。


漫画会館にも立ち寄った。思った以上に楽しかった。楽天という風刺漫画家の旧宅を会館にしたみたい。福澤諭吉に進められて漫画家になった人。「ポンコおあづけ」というシュールな4コマが忘れられない。犬なのにご褒美は柏餅。


 
違う町のマンホールは見逃せない。梅と盆栽。



駅前喫茶のカフェナポリ。バイン喫茶と呼んでもいい(ナポリを見て死ね)もう喫茶店らしい喫茶店。和洋が折衷してるんではなく混在していて、一つ一つがいきなりな感じのところ。え?こけし。え?金魚。なぜ蘭だけ?とか。ゆず抹茶ケーキがなかなか美味。コーヒーもおいしかった。



おそらくナポリの飼い猫。いきなり飛び込んできて、マスターの娘らしき人にあっという間につかまり放り出される宿命の猫。白はなつっこい。



そんなわけでさよならまたね東武鉄道野田線